top of page
惟 yi 紫野京子のWebsite
冬の短歌
一段ずつ階(きざはし)上る心地して
つづけることで夢に到らむ
歩けども歩けどもなお果てしなき
道なき道を辿らんとして
氷雨降る大地も花も凍えゐて
ただひたすらに咲き継ぐままに
ひと思ふ曇天の空広がりて
はるかに遠く鳥一羽だにゐず
椿立つ蕾数多に鵯(ひよどり)の
花咲く夢を摘みにけるらむ
シクラメン窓辺に立ちて真紅なる
陽を受けとめて咲き続けをり
bottom of page