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​片思い

          

 

 

心のなかに染み渡る

おもいの深さの嵩

測れない その密度と体積

 

胸が痛むほどの切なさが

蜘蛛の糸のように編まれてゆく

 

会うことだけで 会えない日々を

しばらく生きてゆける

 

いつも遠くで たしかに応えてくれる

あたたかな感触を感じて

 

いつか会えると 思うだけで

生きてゆける

 

 

 

 

ひとりの人が こころのなかに

棲みはじめる

 

その存在ではなく

言葉を反芻することで

心のなかの人は たしかに

その存在を増大する

 

一人のひとを思い続ける

片思いは得意だ

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